まいど! 関西労働学校です
人間らしく生きるために 社会と人間の根本を学ぶ
第185期 自然科学教室 第9回 「宇宙に果てはあるか」
前回9回目の講義では宇宙に果てはあるかという広大なスケールの内容でした。

アインシュタインが提起した宇宙方程式の解は「宇宙は膨張しているか収縮しているか、そのいずれかである」ことをすでに示唆していました。しかし、当時のヨーロッパでは「宇宙はいつまでも同じ姿を保っている」という考えが支配的で、アインシュタインですら宇宙方程式に「宇宙項」を付け加え「静止宇宙モデル」に仕上げてしまいました。

1929年ハッブルは銀河系外の銀河までの距離と赤方偏移の比較をし、「銀河が我々の銀河系から遠ざかる速さはそれぞれの銀河までの距離に比例する」という結論を出しました。この現象は「宇宙全体が一様に膨張している」と考えればもっとも自然に説明できます。当時のハッブルによる観測そのものは、全く不十分なものでしたが、「宇宙が膨張している」という認識はゆるがぬ事実として確立されています。
また、現在も宇宙が膨張しているなら、それを過去にさかのぼればどうなるか、昔の宇宙は小さくて高密度だったのでは。この疑問を追求したのがガモフでした。(1948年)「宇宙はかつてきわめて大量の物質が狭い空間に集中していた」という仮説から出発し、そんな宇宙がまぼろしのごとく爆発し急激な膨張を開始したとする「火の玉宇宙論」(ビッグバン宇宙論)を提唱しました。

1965年、ペンジアスとウィルソンが人工衛星からのバックグラウンド・ノイズとなる雑音電波のチェックをしている際に宇宙のあらゆる方向から同じ強さの電波がある事に気づきました。絶対温度+3度くらいの物体が出す電波に相当する事から「3K宇宙背景放射」と呼ばれます。
何十億光年も離れた宇宙のかなたから同じ電波がやってくるのは不思議なことです。しかし、それはガモフがすでに予言していた火の玉宇宙論(宇宙は元々集約していた)で考えれば説明がつきます。
こうして宇宙の膨張が確かなものとなり、その膨張速度が分かれば、どれだけ時間をさかのぼれば全てが1点に集中するか(宇宙誕生の時)が計算できます。最新の研究によると宇宙は138億年前に誕生しました。

宇宙誕生後、何兆度という超高温の宇宙が冷めて、38万年後には3000度まで下がり原子の形成と共に光がどこまでも届くようになって「晴れ上がり」ました。その後、水素とヘリウムを主体とするガスは、重力で引き合って宇宙膨張を振り切り、銀河を形成しました。そこからさらに分裂を繰り返し恒星ができました。恒星にはそれぞれ寿命があり、質量が大きいほど寿命も短くなります。恒星の終焉の姿は褐色矮星、白色矮星、中性子星など様々ですが宇宙空間にまき散らされた星間ガスは再び集まって輝き始めます。太陽の30倍の質量の星は重力が強く超新星爆発で吹き飛ばされる事なく収縮を続け、ブラックホールになると考えられます。これは重力の塊で空間に空いた穴のようなもので光すら飛び出す事のできない天体です。ブラックホールは直接観測できませんが、強い重力源として存在を確かめる事ができます。

ビッグバン宇宙論の確立により宇宙が無限でなく始まりと果てがある事を予感させます。
宇宙の大きさは1つには「無限である」という可能性と「有限であるが果ては無い」という可能性があります。
地球の表面積が有限でも表面に果てが無いように空間も「有限=果て」では無いのです。また宇宙誕生の前には何があったかという問題も宇宙は「時空」の全てというとらえ方をすれば宇宙誕生時に時間も生まれたとなり問うことが無意味になります。現代宇宙論が直面している問題は他にもあります。見えない重力源「ダークマター」や宇宙全体を覆う未知のエネルギー=「ダークエネルギー」がそれです。私たちが知っている宇宙はわずか5%、(残り23%がダークマター、72%がダークエネルギー)私たちは宇宙の95%をまだ知らないのです。
(講義抜粋終わり)

講義中、宇宙が膨張している事を分かりやすくイメージするには、風船がしぼんでいる時にマジックで打った多数の点が膨らますと遠くに散らばる(早く遠ざかる)事など子どもでも分かるような例えも交えて教えてもらえ面白かったです。

今まで学んできた講義の集大成に近づき宇宙全体の事を考えるスケールの大きなものとなりましたが、これだけ多くの事が学べても宇宙の事はたった5%ほどしか分かっていないという事にもびっくりします。
ダークマターやダークエネルギー、また何十年後かの教科書では少しでも解明されているんだろうか、宇宙に果てが無いように人間の知的欲求や発展にも果てが無いんだろうなとしみじみ思った9回目でした。
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[2017/04/09 00:32] | 自然科学教室 |
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